忍の里 その6
「もういいころかな・・・。」
真名鶴はこの状況を待っていたらしい。まったく生気を失った仁之助の表情。目はうつろで口は半開き、だらしなく唾液をたれながしている。
しばらくその無残な犠牲者の顔を見つめてから、真名鶴は唇に力をこめ、夜空に向かって口笛を鳴らした。
そのけたたましく鋭い音に、ぐったりしていた仁之助に反応があった。
「う・・・う・・・・」
「そう、呼んだの。こんな姿を見られたら大変ね。」
そういうと真名鶴はクスっと笑った。
「あ・・・あ・・・・」
半死半生の仁之助がその力を振り絞ってまで驚いてみせたのは、その口笛の意味が、彼等の師匠である玄楼斎を呼ぶ合図だったからである。
「き・・きはま・・初めはらこのふもりで・・」
「今更気がついたのか?相変わらず勘の働かぬ男だ。だがもう遅い。」
そう言いきると、真名鶴は一人で立てない仁之助の首を掴み、壁に押しつけてムリヤリ立たせた。
この若い二人の忍者を争わせたのは、一つの御用のためである。もしここで使命を与えられた忍がなんらかの理由で、役に立たなくなったとすれば、責任者である玄楼斎は新たな忍を選ばなければならない。
「き・・・きはない・・・ほ・・ほんなやり方・・・」
「きたないだと?わからんのか、これが本当の実力の差なんだよ。お爺様もきっと目がさめるはずさ。」

仁之助にとって絶望的な状況は、口笛の合図からまもなく訪れた。この二人の決着、そして仁之助の被害の大きさを玄楼斎は目の当たりにした。そしてしばらく渋い表情を見せたあと・・・・

「真名鶴、お屋敷にはお前が行ってくれ。こころして掛かれよ。」
パッと明るい表情になった真名鶴。それとは逆にひたすら悔恨と疲労の表情の仁之助。
「仁之助・・・・残念じゃ。」
ひときわ残念そうに玄楼斎はポツリと言った。
「!」
「お前の将来はとても楽しみにしていたのだが、お前のその体の壊され具合を見ると、もはや忍として復帰することはかなわんだろう。不自由な体を押して通用するほど忍は甘くないんじゃ・・・」
そう言うと玄楼斎は後を向いて速足で立ち去ろうとした。
「ま・・・・待ってくらはい・・・お・・・おいはまら・・」
そんなろれつの回らない仁之助の嘆願にもかかわらず、
「真名鶴!!せめてもの情けじゃ、せめて幼少を共にしたお前の手で引導を渡してやれ!」
玄楼斎は背中で仁之助に別れを告げた。


「ひょ・・・ひょんな・・・」
仁之助は恐る恐る真名鶴の顔を覗いた。

りんりんと大きな目が輝いている。そしてその目は獲物を見る目で仁之助の、脅える顔を覗き返していた。
すでに一人で立つことが出来ず、真名鶴の腕力で立っていた仁之助は、その末路を知り、大きな悲鳴を上げた。

「ウワアーーーーーーー!
しかしすぐにそれは真名鶴の熱い唇に覆われ、遮られた。
「へいきよ、そんなにこわがらないで。幼いころからの付きあいだよ、せめて最高のわたしの中で・・・・
引き離した真名鶴の唇と仁之助の唇は、まだ唾液の糸が切れていない。仁之助はそれ以上は真名鶴の言葉は聞こえなかった。恐怖が彼の耳に蓋をしたのだ。

再び体の自由を全て真名鶴に奪われた。
真名鶴の細かく刻まれた熱い吐息が盛んに聞こえる。真名鶴は仁之助の首周りを長く淫らな舌で、下から上へ、丁寧に舐め回している。まるで雌豹がこれから餌にくらいつく前フリのように。ヨダレを丁寧に仁之助の首の根元から顎の周りまでしみ込ませている。

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